AIネットワーク化検討会議 報告書2016

機械化された社会に関する本の感想を書いたところですが,ちょうど昨日,総務省AIネットワーク化検討会議の報告書が公開されたようです。
報告書はこちら()。

この会議では,人工知能(AI)がネットワーク化された場合の「目指すべき社会像,AIネットワーク化の社会・経済への影響・リスク,当面の課題等」について検討されています。



目指すべき社会の基本理念の一つとして,以下の項目が掲げられています:

「個人が人間としての尊厳をもった自律的な主体としてAIネットワークシステムを安心して安全に利活用することにより、豊かさと幸せを感じられること。」

我々の尊厳の源は何か,何に対して豊かさ・幸せを感じるのかを真剣に考えた議論が必要ですね。
※変化に適応するために,我々自身が豊かさ・幸せの定義を改めていくことも必要かもしれません。


また,報告書の中で,求められる能力と教育とに関し,以下のように書かれています:

「これまで求められてきた能力やスキル等が今後は通用しにくくなる(中略)、AIネットワーク化の進展に伴って変化する社会に適応していくための能力開発・技能習得が求められることとなるものと考えられる。」

「人間に求められる能力が単なる認知能力(読み、書き、そろばん)から非認知能力(事業再編成能力、コミュニケーション能力、全体をデザインする能力等)にシフトすることが示されているが、AIネットワーク化の進展を見据えて、これらの能力の育成のために、初等教育から高等教育までを通じて体系的な教育・訓練が可能となるよう教育改革が必要となるであろう。」


現在の在学生さんは,自分たちが生きている間にこんな社会が来ることを認識しているでしょうか。とても心配です。

教育についてもしっかりと考えておかなければいけません。

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